アドラーの教え『人生の意味の心理学』を読む
今回はまんが100分de名著
アドラーの教え『人生の意味の心理学』を読む
の紹介をしたいと思います。
『嫌われる勇気』で有名なアドラー心理学ですが、今回は漫画でサクッと読むことが出来ました。
この漫画で学んだ4つのアドラーの教えを説明していきます。
1.人生を変える逆転の発想
2.自分を苦しめているものの正体
3.対人関係を転換する
4.「自分と」「他者」を勇気づける
では一つづつ説明していきましょう。
1.人生を変える逆転の発想
あなたが何か頭にくることがあって相手に怒鳴ったとします。
例えばファミレスで毎回注文を間違える店員がいました。
その店員があなたの洋服にコーヒーをこぼしてしまいました。
あなたはカッとなってその店員を怒鳴りつけました。
アドラーが言うには、これがイケメンのウェイター、もしくは美人のウェイトレスだったらどうしました?と言うのです。案外怒鳴らなかったんじゃないですかと。
あなたは日頃から注文を間違える店員に苛立っていて怒鳴りつけることでその店員を困らせ言うことを聞かせたかった。その手段として怒りという感情を捏造したのではないかという考え方です。
人の行動とは「目的」ありきで「原因」は後づけ。
これを「目的論」と言います。
過去の経験は自分の生を決定しない
アドラー心理学では「タイプ分け」はしません。
そしてアドラーは「これまでの人生はこれからの人生をどう生きるかには影響を与えない」と言っています。
アドラー自身が病弱を克服したことや、医者である立場から幼い頃は身体的なハンディキャップを持つ人が大人になって成功している姿を多く目にし、劣等感は人生に立ち向かう力をも生み出すという考えに至ります。
アドラーの考え方では「トラウマ」も存在しません。「トラウマ」とは自分が逃げるための口実にしているだけだと。過去の意味づけを変えれば自分が取る行動も変わる。そして未来が変わっていくという考え方です。
「ライフスタイル」を変えれば人生は変えられる
アドラーは「性格」あるいは「問題を解決するときのクセ」を「ライフスタイル」と呼びました。「世界観」や「人生観」といった意味も含まれています。
性格は変えられないがライフスタイルなら変えられると思うのではないでしょうか?
ライフスタイルとは持って生まれたものではなく、自分の手で選び取るものです。
ライフスタイルに影響する例
・器官劣等性
・きょうだい関係
・親子関係
・文化
このようにライフスタイルに強力な影響を与えるものもあるが、最終的に自分のライフスタイルを決めるのは「本人の決断」しかない。何が与えられているかではなく、与えられているものをどう使うかだとアドラーは言っています。
アドラーはこうも言っています。
「3日あれば人間は変われる。ただし勇気があれば。」
2.自分を苦しめているものの正体
「劣等コンプレックス」とは。
「劣等感」とは自分は他人より劣っていると感じるものだが「劣等コンプレックス」とはアドラー曰く理想の自分と現実の自分のギャップである。
今よりも優れた存在になりたいと思うことをアドラーは優越性の追求と呼んで人間の普遍的な欲求と考えました。
劣等コンプレックスの特徴は「Aだから、Bできない」あるいは「Aではないから、Bできない」という理論を多用すること。
例えば「学歴が低いから会社で出世できない」とか「イケメンではないからモテない」など。Bをできない言い訳や口実としてAという理由を持ち出している。実際にはAとBに因果関係は無い。これをアドラーは見かけの因果律と呼びました。そして見かけの因果律を口実に人生の課題に直面しない事態を指して人生の嘘と呼びました。
自分が理想とする状況に到達していないと思った時はもっと勉強しよう。もっと努力しようと考えて建設的な努力をする必要があるが、劣等コンプレックスのある人はしないこと、できないことの言い訳ばかりを探し、現実の課題から目を背けようとする。
志の高い人が「自分は未熟だ」「もっと技術を極めなければならない」といった劣等感や、病気の人が今の状態を脱することを目指してリハビリに励むなど、他者との競争に関係しない健全な劣等感こそが人類のあらゆる進歩の原動力になっているとアドラーは考えました。「マイナスからプラスへ」進行するという表現を使っています。
「優越コンプレックス」とは。「劣等コンプレックス」と対になるもの。
優越コンプレックスを持つ人の特徴は背伸びをして自分を実際よりも優れているように見せようとすること。本当に優れている人はわざわざ自分を誇示したりしない。アドラーも「もしも自慢する人がいるとすればそれは劣等感を持っているからにすぎない」と指摘している。
他者から認められたいと思っている人というのは結局のところ自分のことしか考えていない。「普通であること」と「無能であること」は全く違う。普通であること、ありのままの自分を受け入れれば世界の見え方は一変する。
3.対人関係を転換する
「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」
悩みから抜け出すためには承認欲求を捨てること。
人生は「ギブ&テイク」という発想をやめる。生きることは「ギブ&ギブ」と考えることができればたとえ承認されなくても自分の行為の価値を自分で判断できるようになる。
「他者の課題には踏み込まない」
これがアドラー心理学の基本的なスタンス。課題が誰のものなのかハッキリさせることを課題の分離と呼んでいます。
最終的な結末が誰に降りかかるか、誰が困るかを考える。
あらゆる対人関係のトラブルは他者の課題に土足で踏み込むこと、もしくは踏み込まれることから起こっていると言っても過言ではない。
自分を変えることができるのは自分しかいない。
「相手の気持ちに応えたい」と思うことは?
私たちは他者の期待を満たすために生きているのではありません。他者の期待など満たす必要はないのです。
そして他者もまた「あなたの期待を満たすために生きているのではない」ということを覚えておく。
課題の分離とは決して「対人関係の最終的な目標」ではありません。相手との関わりを全部切って無関心になれというようなことではない。
課題の分離とはもつれた糸をほどくような作業。現状をハッキリさせて最善の道を見極めるためのステップです。それは「幸せになるための勇気」と言える。
4.「自分」と「他者」を勇気づける
「共同体感覚」とは。
「自分自身の幸福と人類の幸福のためにもっとも貢献するのは共同体感覚である」
人間の悩みはすべて対人関係の悩みである。裏を返せば生きる幸福や喜びも他者との関係からしか得ることができない。他者を仲間と見なしそこに自分の居場所を見つけ仲間たちのために貢献しようと思えること。それが「共同体感覚」です。
「自分に価値がある」と思えたら対人関係に入っていく勇気を持つことができます。対人関係とはまず「ありのままの自分を受け入れて好きになる」ことから始まる。
人が共同体感覚を持つためには3つの要素が必要になる。
1.自己受容→ありのままの自分を受け入れること
2.他者貢献→他者に貢献していると感じること
3.他者信頼→他者を仲間だと信頼すること
「勇気づけ」とは。
直接行動に働きかけるのではなく課題に立ち向かえるために間接的な援助をすること。
アドラー心理学では叱ることもほめることも認めていない。
ほめるという行為の問題点は「能力のある人が能力のない人に下す評価」という側面が含まれている。ほめることの背後にある目的は感謝でも尊敬でもなく「相手を操作すること」にすぎない。
上下関係すなわち「縦の関係」にもとづいて相手の課題に介入するのではなく、あくまで対等な「横の関係」にもとづいて援助を行う。それが「勇気づけ」である。
相手をほめずに「自分に価値がある」と思ってもらう方法とは。
それは人にお礼を言われた時。
「ありがとう」という言葉は上から目線の評価ではなく純粋に相手の貢献に注目しそれを伝える言葉。
お互いが何の見返りも求めず「ありがとう」と言い合える関係こそ「対等な横の関係」であり、理想的な対人関係と言える。
すべての人間は対等の「横の関係」にある
人は誰にもなににも支配されない
「人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ」
アレフレッド・アドラー
ざっくり要点だけまとめてみましたが、ここには書ききれない素晴らしい教えがたくさんありました。間で入る解説も非常に分かりやすい。
自分自身が幸せに生きるためのヒントを貰えると思います。
もっと詳しくアドラーの教えを知りたい方は是非、まんが100分de名著
アドラーの教え『人生の意味の心理学』を読む
チェックしてみて下さい!